フレデリックOFFICIAL FAN CLUB「フレハウス」

INTERVIEW

フレデリック
オフィシャルインタビュー
Chapter.1

Text&Interview
MUSICA 編集長 有泉智子

地元・神戸ワールド記念ホールにて開催した
「FREDERHYTHM ARENA2018 ~KOKYOのTOGENKYO~」
初のアリーナ単独公演を振り返る

去る2018年4月30日、メンバーの地元であり、バンド結成の地でもある神戸はワールド記念ホールにて、初のアリーナ単独公演を満員御礼で大成功させたフレデリック。故郷で初のアリーナ公演というのはそれだけでエモーショナルだし記念碑的なライヴになるファクターを十二分に満たしているものだけど、それ以上に、この日のライヴはフレデリックが明確に次なるステージ、次なる挑戦の扉を開け放ったことを雄弁に証明するものだった。美しい照明と音にシンクロした映像演出、アリーナを完全に煙に巻いた大量のスモークなど、秀逸な演出も目を喜ばせ興奮を煽るものだったが、何よりも今のフレデリックの楽曲力と演奏力でどこまでアリーナという巨大な空間をエンターテインし、掌握できるのかという、その命題に正攻法で挑んだライヴだったと言っていいだろう。今回のオフィシャル・インタヴューは、まずはあの日に想いを馳せるところから、話が始まった。

――4月30日に神戸のワールド記念ホールで初のアリーナ単独公演を成功させました。実際にあのステージに立ってライヴを行なったそれぞれの感想から伺えますか。
三原康司(B):「2017年の10月から始まった『TOGENKYO』のツアーは、2018年の4月30日に神戸ワールド記念ホールでライヴをやるっていう目標に向けて走ってきたツアーだったんですよね。結果、神戸ワールドに辿り着いた時の喜びはやっぱりハンパなかったです」
――それは、普段のツアーでファイナルに辿り着く感覚とは全然違うものだったんですか?
康司:「もちろん今までも常に上を目指していたというか、次に向かっていくことをバンド全体で凄く思ってたんですけど……ただ今回は、正直、アリーナっていう目標地点に向かっていくのは不安もあったんですよ。でもいろんな人の助けがあって、その人達の力が自分達の背中を押してくれた部分もあって、その中でしっかり僕らのペースで辿り着くことができたし、実際にあの場所で自分達らしいライヴをできたなっていう感覚が凄くあって。だからこそ、あの日はかけがえのない1日になったんやと思います。僕らの地元の、しかもバンドの始まりの地でそうなれたことは、本当にかけがえのないことでした」
高橋武(Dr):「バンドが成長する時ってそれぞれに目標があると思うんですけど、今回の神戸ワールドに関しては、抽象的なものじゃなくて明確なイメージが4人に共通するものとしてちゃんとあったんですよね。そこに辿り着いた時の達成感っていうのは、いい音源が作れたとか、それが届いてる感じがするっていう感覚とはまたちょっと違うものでした。辿り着いたもの、そこで掴めたものっていうのが、曖昧な形ではなくはっきりと自分達の中にあって。それが普段のフレデリックが掲げる目標の達成の仕方とは違う部分だったのかなと思うし、僕にとって大きかったなと思います」
赤頭隆児(G):「今回の神戸ワールドに向けては、4人でいろいろ話し合ったんですよ。他のアーティストのアリーナ・ライヴを観にいったことを思い出したりもしながら、ライヴハウスでやってきたことだけじゃない、アリーナ用のパフォーマンスっていう視点から4人で想像して考えて、『これじゃあかんな』『こっちのほうがいい』みたいな話を結構したんですよね。それがよかったのかなって思います。その上で実際にやってみて、やっぱりこれで良かったんやなっていうのも見えたし、同時に、まだまだ足りんかった部分も見えたし、だからあれを経て今は、それを踏まえた上でのライヴができてるなっていうのも思うし。あとは単純に……もちろんもっと上はあると思ってるし満足はしてないですけど、でもやっぱり、あの規模でワンマンできたっていうのは嬉しかったですね。だって僕ら、最初はライヴハウスもずっと埋まんなかったですもん!」
康司:「ほんまにな(笑)」
赤頭:「だからアリーナ埋まったのは純粋に嬉しかったですね」
――健司くんはどうですか。
三原健司(Vo&G):「僕ら、そもそも半年以上の長いツアーを回ったことが今までなかったんですよ。でも今回は半年以上にわたって『TOGENKYO』を引っ提げて回って……初めは東名阪のクアトロ、その後が全国ツアー、その後に追加公演と台湾公演があって、最後がワールド記念ホールやったんですけど、その度に毎回毎回ちゃんと反省をして次に活かして、自分達の身になるものにしていくっていうことを繰り返してきて。その中で、ワンマンライヴというものに対する一人ひとりの意識が変わったなと思います。……アリーナに立つバンドって4人の力だけじゃ成り立たないんだろうなって、みんな薄々感じ始めてたと思うんですよね。だからこそ周りの人達をもっと巻き込めるようになりたいなって思ってたし、実際に今回のツアーではスタッフとのコミュニケーションも今までより多く取るようにしたんです。そうやって自分の中で抱えていた悩みをスタッフにも相談して、みんなで共有していくことが増えたことによって、フレデリックをより深く理解してくれる人が多くなったなと思ってて。たとえば演出にしても、今回の演出ってメンバー以外の人からもらったいろんなアイディアもたくさん入ってるんですよね。だからワールド記念ホールをやった時に、『フレデリックっていうチームとしてでき上がったな』って思って……自分達だけがひとつ階段を昇ったっていうよりは、みんなでちゃんとフレデリックを押し上げることができたなっていうのはすごく感じます」

――自分がワールド記念ホールのライヴを観て強く思ったのは、もちろん故郷凱旋ライヴという意味合いもあったとは思うんですが、そういうノスタルジーを孕んだバンド・ストーリー以上に、純粋に1バンドとしてアリーナという規模感にふさわしいライヴをやるということに対して、真っ向勝負で挑んでいたなということで。背景にあるエモーショナルな物語よりも、ただ真っ当に今の自分達が持っている楽曲と演奏力で勝負をしていたし、それが結果、ここから先のフレデリックのステージを感じさせるものにもなっていて、とてもよかったと思うんです。そういう意識はあったんですか。
健司:「たぶん、たけちゃんが入る前の3人だったら故郷凱旋感は出てたなって思うんですけど、たけちゃんが入ってバンドとしてもすごく前に進んでいるわけで。それに、もちろん地元っていう気持ちもあるんですけど、スタッフも含めていろんな人達を巻き込んでやるものに対して『自分達だけの故郷』っていうのを前に出すのは違うんじゃないかなっていうのもありましたし。ただ、それを意識的に出さなかったっていうよりは、自然とそこが出なかったっていうことのほうが大きいかもしれない。ま、どうしても言いたくてアンコールでは『ただいま』みたいなことは言いましたけど(笑)。でもやっぱり、ここがゴールじゃないってことはみんな確実にわかってることだし……というかむしろ、やる前はバンドの中でなんらかのゴール感も出るんだろうなとも思ってたけど、実際の演奏中は、それもまったく感じさせないところもあったから、自分でも結構ライヴ中にびっくりさせられることが多かったです」
康司:「"飄々とエモーション"っていう新曲が生まれたことで、より一層、そういうライヴになったんじゃないかっていうのはすごく思います」

— Chapter-2 "飄々とエモーション"に続く

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